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自己脂肪由来幹細胞治療について

はじめに

「再⽣医療」「幹細胞治療」と聞いて、どんな事を思い浮かべますか?
「まだまだ研究段階」「ごく⼀部の施設でのみ受けられる」「よく分からない」と思われる⽅がほとんどではないでしょうか。

実は幹細胞を⽤いた再⽣医療はすでに多くの医療機関で⽇常的に臨床の場で⾏われているのです。
例えば美容分野では⾒た⽬の若返りを⽬的として、お肌に直接培養した幹細胞を注⼊する治療が⾏われています。
また、整形外科の分野では膝関節変形症や半⽉板損傷などの治療に⽤いられており、痛みの軽減や可動域の拡⼤などの効果が⾼い確率で期待できます。
その他⻭科再⽣や慢性疼痛など、幹細胞治療は幅広い分野で実際に患者様の痛みを軽減したり、⽣活の質を向上させたりしています。
つまり、保険診療では治療に限界があり、以前だったら諦めるしかない症状に対しても、新たな光をもたらしてくれるのが「幹細胞治療」なのです。

この記事では当院でも⾏っており、伊勢呂も実際に治療を受けた「自己脂肪由来幹細胞治療」について、皆様のご理解の⼀助となるように分かりやすく説明させていただきます。

1 そもそも幹細胞とは

「幹細胞」とは私たちの⾝体を作る全ての細胞の⼤元(おおもと)となる⺟となる細胞の事を⾔います。⾃分と同じ細胞をコピーする「⾃⼰複製能」と、⾃分と異なる細胞に変化することができる「分化能」を持っており、常⽇頃から細胞の再⽣や⼊れ替え、微細な修復を24時間態勢で⾏なってくれます。
幹細胞は私たちの⾝体の中の脂肪・⾻髄・臍帯(へその緒)・⻭髄など、様々な組織に存在しています。

 

2 自己脂肪由来幹細胞治療とは

幹細胞の中でも⽪下脂肪の中に多く含まれているものを「脂肪由来幹細胞」と⾔います。脂肪由来幹細胞は、例えば⾻髄から採れる「⾻髄由来幹細胞」に⽐べて幹細胞が桁違いに多い(同じ体積で⽐べると1,000倍以上の幹細胞が含まれる)と⾔われています。
「自己脂肪由来幹細胞治療」とは、⽪下脂肪の幹細胞を取り出して培養して増やし、点滴や注⼊で⾝体に戻す事で、ダメージを受けている細胞や組織を強い⼒で再⽣、修復する事を⽬的とした治療です。
治療に⽤いる幹細胞はお腹の⽪下脂肪から採取することが⼀般的であり、採取は短時間で終わり、低侵襲であることが利点です。

3 パラクリン効果とホーミング作⽤

幹細胞には「パラクリン効果」と「ホーミング効果」があることが分かっています。

3-1 ホーミング効果

幹細胞は弱った細胞や組織から発せられるシグナルを的確に感知し、⾎流によってその場所にたどり着くという特徴があり、これをホーミング効果と呼びます。

3-2 パラクリン効果

一方パラクリン効果とは、幹細胞から分泌される物質(成⻑因⼦やサイトカイン『細胞同⼠が情報を伝えるために放出するタンパク質』)が隣接する周囲の細胞にも作用することを言います。

パラクリン効果によって損傷部位に細胞が集まり、炎症を鎮めたり、新しく⾎管を作ったり、⽪膚のコラーゲンを産⽣させたりする働きをし、細胞の再⽣や分化が促進されることになります。

ホーミング効果とパラクリン効果の2つは幹細胞治療において重要な役割を担っており、幹細胞治療が優れていると⾔える理由のひとつであると⾔えます。

4 自己脂肪由来幹細胞治療の流れ

4-1 カウンセリング

カウンセリングを⾏い、お悩みについて詳しくお伺いし、治療計画を⽴てていきます。ご不明なことやご不安なことは遠慮なく担当医師にお申し出ください。

4-2 同意書のご記⼊

自己脂肪由来幹細胞治療についての同意書をご記⼊していただきます。

4-3 脂肪採取

おへその外側を5㎜くらい切開してそこから脂肪を吸引します(10g程度)脂肪を吸引し終わったら傷はきれいに縫合します。⿇酔をするので痛みはなく、当⽇のご帰宅が可能です。採取には30分前後かかります。

4-4 幹細胞を培養

採取した脂肪を細胞培養加⼯施設に送ります。
核となる細胞を回収し、そこから培養を繰り返して幹細胞を増やしていきます。
最初は数⼗万〜100万個だった幹細胞は、5~6週間かけて培養することで、1〜2億個まで増やすことが可能です。

4-5 安全性チェック

培養して増やした幹細胞は、細胞培養加⼯施設で安全性チェックを⾏った後クリニックまで安全に届けられます。

4-6 点滴投与

1時間くらいかけてゆっくりと点滴投与していきます。
点滴終了後、院内でご体調の変化をしばらく観察してからご帰宅となります。

5 副作⽤

ご⾃⾝の細胞を使っているので、アレルギー反応はほぼありません。
点滴投与では37〜38℃の微熱・悪寒・倦怠感・頭痛などの副反応が報告されていますが、半⽇程度で治るケースがほとんどです。

6 自己脂肪由来幹細胞治療で
改善が期待できる効果

  • ⽪膚・美容再⽣
    しわ・たるみ・傷跡・瘢痕・ニキビ跡・アトピー性⽪膚炎など
  • メタボ・内分泌
    2型糖尿病・脂質異常症・メタボリック症候群など
  • アンチエイジング
    疲れ・筋⼒低下・ドライアイなど
  • 新型コロナウイルス後遺症
    ⻑引く倦怠感・呼吸苦など
  • ⾃⼰免疫疾患
    関節リウマチ・SLE・強⽪症など
  • 泌尿器疾患
    ED・前⽴腺炎後遺症など
  • 薄⽑・抜け⽑
    AGA(男性・⼥性ともに)
  • 呼吸器疾患
    COPD・間質性肺炎
  • 肝臓疾患
    肝硬変・⾃⼰免疫性肝炎・NASH など
  • 神経疾患
    脳梗塞後遺症・認知機能サポート・脊髄損傷・多発性硬化症など
  • 整形外科疾患
    変形性膝関節症・膝関節症・半⽉板/靭帯損傷・腰椎椎間板変性など
    (整形外科領域では局所注射が⼀般的)

糖尿病についてはエビデンスが蓄積されつつあり、「2億個の脂肪幹細胞を計3回点滴投与」した結果、HbA1cが13から6.4まで劇的に改善した事例が報告され、話題になっています。
これは効果が最⼤に認められたケースとはなりますが、代謝の根本を⽴て直す画期的な⽅法として糖尿病患者様への希望の光が降り注ぎます。

7 当院の自己脂肪由来幹細胞治療が低価格で提供できる理由

患者様から、当院の自己脂肪由来幹細胞治療が⽐較的安価である理由についてよくお尋ねいただきます。
当院は保険診療を中⼼としたクリニックであり、⾃由診療や美容クリニックとは異なる運営⽅針を取っております。そのため、⾼級な内装や特別な空間の提供には限りがございますが、その分、治療費⽤を⼤幅に抑えることが可能となっております。
具体的に申し上げると、当院で提供させていただいている自己脂肪由来幹細胞治療は、他の医療機関と⽐べて1/2〜1/3の価格設定とさせていただいております。落ち着いたラグジュアリーな体験をご提供することが難しい分、保険診療で経験を積んだ医師や看護師が確かな技術で自己脂肪由来幹細胞治療をより安価にご提供させていただいております。

私どもは、より多くの患者様に脂肪由来幹細胞の恩恵を受けていただきたいという思いから、このような価格設定をしております。⾼い技術を提供しつつも、アク セスしやすい価格帯でのサービス提供を⼼がけております。

8 まとめ

自己脂肪由来幹細胞治療は現在のところ⾃費診療となり、⾦額も決して安価なものではありません。
しかし、保険診療での治療に限界を迎えてしまった⽅や、全⾝の細胞の修復や再⽣を⽬指したい⽅には最適な治療であると⾔えるのではないでしょうか。

大宮エヴァグリーンクリニックでは自己脂肪由来幹細胞治療をおこなっております。
ご相談も承っておりますので、お電話でお気軽にご相談ください。

幹細胞治療のお問い合わせ・ご予約専用電話番号

03-6821-1771

この記事を執筆した人
伊勢呂哲也
伊勢呂哲也

日本泌尿器科学会認定・泌尿器科専門医
名古屋大学出身
年間30000人以上の外来診察を行なう。
YouTubeでわかりやすい病気の解説も行なっている。
再生医療専門クリニックも運営

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